厭世マニュアル

厭世マニュアル
著者:阿川せんり
発行所:KADOKAWA
価格:1,400円+税

内容紹介

「くにさきみき」とは22歳フリーター、レンタルビデオ転勤務、札幌在住。
常にマスクを着用していないと落ち着かない性分で、自らを「口裂け女」略して「口裂け」と自称しております。
数々のトラウマから他人との交流を避けて暮らしてきましたが、心機一転、自らのトラウマ生成にまつわる人々と向き合っていくことを決意。
他人のやっかいごとに巻き込まれては、「果たしてこれで良いものか」と自問自答を繰り返すことになりますが……。


感想
この物語は、主人公の話し言葉で書かれている。
そして、心の声などもきちんと書かれているので、一人の人間の人生の一部を覗いているような感覚で読むことができる。
ただ、この主人公がウジウジした性格をしていて、物語的にも何か非現実的なことが起こるわけではないので、すっごく長く感じる。
ただ、主人公の気持ちも理解できる。
なので、時間が余っている人は読んでみてもいいかもしれない。
尚、読書初心者にはおすすめできない。多分飽きる。
ちなみに、一気読みするものではなく、ちびちび読んでいく本だと思うので、他の本と並行して読むと飽きないかもしれない。

思い出
これは、表紙に惹かれて、その後に「常にマスクを着用していないと落ち着かない」と言う帯に書いてあった言葉が当時の私と重なったので買った。
読んでみるとずっと主人公がウジウジしていて、読んでいてイラッとすることもあったが、なんやかんや読むことをやめられなかった。
時間があるときに読んでみてほしい。
きっと自分と重ねてしまう部分があると思う。